柴沼醤油:330年受け継がれる木桶仕込みの伝統

Jul 16、2025YU OGURA

変わらぬ手仕事、変わらぬ情熱


柴沼醤油は、創業330年以上を誇る日本でも最古級の醤油メーカーのひとつです。
その特別さは歴史の長さだけではなく、今もなお江戸時代の木桶を使って伝統的な製法を守り続けている点 にあります。
1800年代から使われている巨大な木桶には、自然の酵母が棲みつき、時間をかけてまろやかで深みのある味を育てます。
風味、忍耐、そして昔ながらの手法へのこだわり。それが柴沼の唯一無二の魅力です。




自然が育む熟成の味わい


柴沼の醤油は、急がず、ゆっくりと自然の力で熟成されます。
看板商品の「蔵出し天然醸造醤油」は、大豆・小麦・塩のみで仕込み、加熱殺菌をせず、熱を加えない濾過で仕上げます。
杉桶仕込みの「伝統天然醸造醤油」も三原料のみで造られ、自然なうま味を大切にしています。
「だし入り旨み醤油」は、かつお出汁を加えた風味豊かな1本
減塩タイプもあり、塩分を40%カットしつつ味はしっかり。
さらに、かつおと柑橘の風味を活かした「かつお柑橘ぽん酢」も展開。
どれも本物の“うま味”を引き出すことにこだわった製品です。




手間を惜しまぬ品質への姿勢


柴沼では、発酵から瓶詰めまでをすべて自社で一貫して行っています。
最大10,000リットルの杉桶67本が今も現役で使用されており、そこには一切の添加物も人工調味料もありません。
風味の保護には陶器製フィルターや酸素を遮断する特殊ボトルを使用。
工場はFSSC22000を取得し、国際的な食品安全基準を満たしています。
商品開発も、料理人や消費者の声を活かしながら丁寧に行われています。



世界に届けたい、本物の醤油


柴沼の醤油は、使いやすく、深い味わいが魅力。
伝統的な木桶熟成が生み出すやわらかなコクと控えめな塩味は、どんな料理にもなじみます。
木桶を使った醸造は今や日本でも希少で、柴沼では67本という規模で維持し、新たな桶の導入にも積極的です。
寿司用の醤油から洋風ドレッシングまで、国内外のニーズに応えた開発体制を整えており、伝統と革新の両面を併せ持つメーカーとして、世界市場でも確かな存在感を放っています。



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